住宅考察

  

  より良い住まいを手に入れるためには

 住み手にも知恵と労力が要求されます。既に住戸数は供給過剰に陥っている状況です。見識をもって探せば、要望に合った物件を見つけること、理想の住まいを手に入れることは十分可能です。そのためには、物件をよく吟味して粗悪な住宅を購入しないことです。参考までに、選び方のポイントを幾つか列記しますので、お役立てください。

 

Ⅰ.物件を見て直ぐに決めないこと

 いくら交通の便が良いと思われる物件でも周りの環境が良いとは限りません。物件の良し悪しは何度か足を運んでいるうちに分かってきます。出来れば1週間くらい、朝、昼、夜と周りの様子を見極めることも必要です。

Ⅱ.南向きの物件を選ぶこと

 日本の風土から考えて、快適に住まうことは、夏の通風も必要ですが、冬の日照時間の確保も大切な条件の一つです。空調設備に頼らないで日々快適に過ごすためにも建物は南向きで通風と日照が十分確保できる物件を選ぶことです。

Ⅲ.開口部が小さく奥に細長い間取りは避けること

 土地を選ぶ時に、開口部が狭く奥行の長い敷地は行灯部屋のある住宅になります。また、マンションでも価格を抑えるために間口が狭く奥行の長いプランがありますが、採光、通風がよくありません。土地やマンションを購入する時は間口の広い物件をお勧めします。

Ⅳ.収納スペースが多い物件を選ぶこと

 建売住宅やマンションでは収納スペースを削って部屋数を増やし販売価格を高く設定している物件があります。日々の生活の経過と共に品物は増えていきます。できるだけ収納スペースを多く確保している物件を選ぶことです。

Ⅴ.設備器具(電気、給排水、ガス、換気扇等)が点検修理可能な構造になっていること

 建物の設備器具の寿命は15年くらいです、いずれ補修改修工事が必要になります。設備器具の補修点検ができない構造は補修工事が発生した時には多額の工事費用がかかります。物件を購入する際は設備器具の補修点検が容易にできる物件を選ぶことです。

Ⅵ.マンションの最上階、角部屋はなるべく避けること

 高層マンションでは眺望を優先するあまり最上階とか角部屋を選びがちですが、見晴らしはいいのですが、住環境は余り良くありません。マンションの価格設定は見晴らしを優先して、最上階や角部屋を高く設定しますが、外部からの音や風雨に何時もさらされます。購入当初はそれほど意識しないと思いますが、長く快適に住むのであれば最上階や角部屋は避けた方が無難です。

Ⅶ.住宅の専有面積が同じであれば部屋数の少ない物件を選ぶこと

 日本では住宅の広さを表す方法として、3LDK等の表示方法が一般的に使われていますが、専有面積が同じであれば部屋数の少ない方が生活環境の変化に合わせやすく、家具の配置等にも自由度が増します。一般的な3LDK等の表示に惑わされることのないように専有面積をチェックしましょう。

Ⅷ.マンションの構造(壁厚、床厚等)も考慮のこと

 マンション等共同住宅で一番問題になっているのは隣家との騒音問題です。購入する際には、上下階及び隣戸との界壁の厚みを十分チェックしましょう。床厚、壁厚は25㎝以上 また、床及び天井の構造は2重構造の物件を選びましょう。

 

 幾つかの注意事項を列記しましたが、上記の項目以外に、建物のセキュリティや駐車場の件、また、理事会、自治会等のことも考慮する必要があります。永く快適な生活を過ごすためにも購入後に後悔しないようにしてください。